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東山、健康祈願のお寺

今熊野観音寺。真言宗泉涌寺派。平安時代、嵯峨天皇の勅願により弘法大師さまが開創。御本尊は十一面観世音菩薩。西国三十三所第十五番霊場・厄除、開運の寺として知られ、特に頭痛、智恵授け、ぼけ封じの観音様として信仰を集めています。

本堂東側の山上に見えるのは平安様式の多宝塔「医聖堂」。 医と宗教がともに手をたずさえて、健康に暮らせるような社会が築かれますよう、との住職の願いを込めて建立。本年、33年ぶりに塗り替えられ、鮮やかな朱色が蘇りました。 

 

<頭痛治癒の逸話>

院政を敷いた天皇として有名な後白河法皇(1127-1192)は持病として、激しい頭痛がおありでした。
そこで、頭痛封じの観音さまとして評判の高かった今熊野観音に頭痛平癒のご祈願を続けられたところ、ある夜、枕元に観音さまが現れ、病める頭に向けて光明をお差しかけると、永年苦しんでこられた頭痛が癒えたことが霊験記に伝えられています。
以来、今熊野観音を「頭痛封じの観音」としてさらに天下にお知らしめになり、当山を参詣される方は枕を持参して御加持御祈祷を受けてきました。

現在では当山で枕カバーを用意、毎日早朝より御祈祷を行っています。

 

余談ですが「枕」は首、頚椎との関係で重要な健康寝具です。

「首の病→手足の麻痺・歩行困難→うつ病→認知症」といった悪の連鎖を断ち切るためにも、早期診断が重要かと存じます。なお、京都には頚椎手術のゴッドハンド「慈心妙手」(じしんみょうしゅ)の名医もいます。お大事に・・・「南無大師遍照金剛」